「コーチング」という言葉は聞いたことがあるけれどなんだかよくわからないという話を聞きますが、どうしてだと思いますか。
スポーツコーチのコーチングとビジネス/ライフコーチのコーチングは全く違う
日本で私たちが馴染みのある「コーチ」はスポーツのコーチです。学生のころスポーツのクラブに所属した人はコーチというのはスポーツを指導するイメージですよね。だから、「コーチング」はスポーツのコーチが指導するのと同じようなことをするものだと想像するのだと思います。ですので、「コーチング」とは「指導すること」と思っている人が少なくないと思います。
しかし、私たち国際コーチ連盟認定のコーチがしているコーチングはスポーツのコーチとは全く違い、「指導」は一切しないのです。
では何をするのかというと、「質問することで、気づきを与え、前に進めること」をするのです。つまり、「指導する」のではなく「質問する」が私たちのすることで、その質問にクライアントが応えることでクライアントが前に進むことができるという、その「質問力」がスポーツのコーチとは全く違うところなのです。
日本に存在する2つの種類のコーチング
コーチングが紛らわしいのは、さきほどのスポーツコーチのような教えるタイプのコーチングと、私たちが行っている質問することでクライアントを支援するコーチと2つのタイプのコーチングが存在するからです。
例えば、「成功コーチング」というコーチが2人いるとします。一人は成功についてのノウハウを教えるコーチ。そして、もう一人は成功を目標設定にしてコーチングをするコーチ。私たちICF認定コーチは言うまでもなく後者をコーチングと考えています。
アメリカのエグゼクティブコーチングプログラムで、物事のフレームを教えることは「コーチング」ではなく「ティーチング」。そして、専門知識を教える人は「コーチ」ではなく「コンサルタント」であると学びました。ですので、それでいうと、成功とは何かを教える「成功コーチ」は「ティーチャー」、そして、成功のハウツーを教える「成功コーチ」は「コンサルタント」のカテゴリーに属します。
間違えて欲しくないのは、私はハウツーを教えるコーチを否定しているわけではありません。コーチがハウツーを教える講座やクラス、研修はたくさんありますし、私もクラスや研修を行っています。ただ、国際コーチ連盟の倫理規定の中で、コーチングの部分と、コンサルタントの部分、ティーチングの部分は明確にクライアントに分かるように説明しなければならないとされていますので、「コーチング」と「ティーチング」「コンサルタント」をごちゃませにせず、今どの帽子をかぶっているのか、クライアントに示すことが大切だということです。